TLS使用デッキ解説 "Mardu Blitz"
ここではスタンダードで使用した無謀な奇襲隊入りマルドゥアグロ Mardu Blitzについて書きます
デッキ名は同じように無謀な奇襲隊を採用してるモダンの Naya Blitzって呼び方がかっこいいなということから
とりあえずリストです
もともとは自信のあるPPTQを抜けたマルドゥ機体を使うつもりでした。
なんだかんだ霊気池にもいけるんちゃうかと。
しかし調整を続けてその認識は甘いだろうと考えました。
というのもTLSの権利獲得方法は色んなフォーマットである予選に勝つことで、モダンやレガシーを普段やっている人がTLSのスタンダードに選択しやすい霊気池は恐らくトップメタになるという予想があり、霊気池に勝つためには現在のスピードではそう何度も勝てるものではないと思ったからです。
ちょうど同時期に晴れる屋のジェレミー・デザーニプロの荷馬車などを排したマルドゥアグロの記事が上がったこともあり、その方向性も視野にいれつつ、まずは仕事をする前に除去によりあまり活躍出来ないことが多いサリアを奇襲隊に変えてみました。
実は無謀な奇襲隊のポテンシャルには前々から注目しており、実際にPTカラデシュでの赤白トークンはこれに着目したデッキでしたね。僕自身はこのときはサイドに忍ばせたりはしてたもののメインギミック的に使うのではなく全除去からのリカバリー手段の1つと考えていました。
その考えが変わったのがGPクアラルンプールでの帰路でたまたまこの機会に知り合ったBIGSの朴高志さんの赤白トークンとトランジットの間にフリーをさせていただいたときでした。
普通の機体ミラーのように殴ると返しであっという間にライフが5とかになってしまうのです。
この型は機体や青白には明確に有利をつけられそうだと思い、しかしデッキパーツの自由度が低く、なかなか納得できる勝率の高いものを完成させることが出来ずにいました。
霊気池に勝つために4c機体も試したのですが、結局勝つための最善手はスピードをあげることではないかと考えて奇襲隊を入れようと考えたのです。
さて、話を戻してサリアを奇襲隊に変えて気づいたことがありました。
デパラの役割がコプターを使ってくる同型などでコプターのサイズを上げる事が大切であるという認識だったので、ここが奇襲隊になればコプターを使ってくるデッキに有利がとれるからデパラは必要ないということです。
そこから少しずつデッキは変わり始めました。
まずこれを使う上ではあまり強くない機体を減らしました。
そう、デザーニの記事にもあった通り荷馬車を無くしてみたのです。これによりアーティファクトカウントが減り、また怒濤を達成するためにマスターピースとなるスレイベンの検査官をその枠に入れました。
このカードは機体で使う分には強化がないから殴れず、守れずで嫌いだったのですが奇襲隊で使うなら話は別です。
また、荷馬車がないことで色マナに不安がありました。そのためにデザーニのリストでは採用されていなかった経験豊富な操縦者を採用。
スピード偏重のために線が細くなっているこのデッキにおいてドローの質はとても重要性が高く、その時々に応じてアーティファクト、奇襲隊、土地を探せるこのカードの存在は大きかったと思います。
黒マナ8が不安だったので1枚だけバトルランドを採用し、こうして上記のリストが完成しました。
サイドボードは
お馴染みのイシュカナ対策である石の宣告を3
デッキをより軽くしたことにより抜けてしまったPWがギデオン:チャンドラを2:2で奇襲隊だけでは勝ちづらい青赤スペルなどのコントロールや緑黒昂揚用のサイドボードとして採用
コジレックの帰還などの対策として抗戦を2
ミラーや青白に有効なスカイソブリンは土地の枚数の関係上1
ミラーで劇的に勝ちをもたらす粗暴な協力は元から有利をとれるため1に減らし
エムラクールの対策として停滞の罠を2
パンハモニコンなどの置物もそれなりに流行していたことを受け、断片化を残りの2枠に入れました。
本戦でのスタンダードラウンドの成績はこの通り。(試合内容については1つ前の記事を読んでください(>_<))
青白パンハモニコン ○×○
青白フラッシュ ××
青白フラッシュ ×○○
青赤スペル ○×○
4c機体 ○○
青白フラッシュ ○○
4c機体 ○○
負けてしまったところ以外はゲームプランがピタリとはまり、6-1
これにSEのティムール霊気池 ×○××
が加わり、6-2ですね(^_^;)(^_^;)
各デッキと戦うときのプランは以下のようになります。
vs機体
基本的には有利なマッチアップです。
横に並べて奇襲隊を決めることでライフレースの均衡が一気に崩れて相手が殴れなくなる状態に出来ることが1番の勝ちパターンになります。
in 領事の旗艦、スカイソブリン1
粗暴な協力1
out ゼンディカーの同盟者、ギデオン 2
上に書いた通りメインの形ですでに有利なため大きなチェンジはありません。
あまり強くないギデオンをより1枚での影響力が高いものに変えるだけです。
プランもほぼ変わらずに面で攻め、一気にライフレースで優位にたつことを目指します。
粗暴な協力は採用率は高くないですが、打たれてしまうとドワーフや奇襲隊が全滅してしまうため警戒するにこしたことはありません。
またアヴァシンは変身までいかれてしまうと同様に盤面が崩壊し一気に逆転されてしまいます。
サイドボード後はこれらのカードに注意すべきです。
vs青白フラッシュ
これも圧倒的に速度差があり、基本的には有利だと思っています。
機体での記事で書いた、青白にはこちらから動き出して構える余裕を与えないということがよりやり易くなっているため、負けパターンはアヴァシンにさわれずに変身ということがほとんどです。
in 領事の旗艦、スカイソブリン 1
停滞の罠 1 (後手2)
out 密輸人の回転翼機 1 (後手のみ)
ゼンディカーの同盟者、ギデオン 2
ギデオンは重く、飛行で落ちるためあまり強く無いのでアウト。
密輸人の回転翼機はクリーチャーの数ではなく、後手の場合だと搭乗員が捕らえられたり、乗ったところに停滞の罠が来たりと活躍する場面が減るため1だけ減らします。
でれば勝つ最強パーマネントのスカイソブリンと追加のアヴァシンへの除去である停滞の罠を入れます。
停滞の罠は断片化で割られる可能性もあることは頭にいれておきましょう。
機体戦と同じくメイン同様に先手をとって攻めていくことが大切ですが、呪文捕らえなどに奇襲隊を止められてしまうとたとえ解放出来ても怒濤でプレイ出来ないため弱く、他のカウンターでは打ち消されてしまうので再利用すら出来ません。
なので経験豊富な操縦者などの捕らえたくなるカードで誘い出すか、ただの2/3としてブロックせざるを得ないように攻めるかということになります。
無許可の分解はダメージと破壊が別テキストなため破壊が出来なくても3点は入れれるため無私の霊魂がある場合は霊魂ではなく、本命に当てましょう。
vs緑黒昂揚
メインでは以前よりPWが少なく、前に紹介した序盤のクリーチャーに除去を打たせ、PWで勝つというパターンはあまり無いです。
その代わりにこちらのリストではイシュカナが出るより早く致死かそれに近いダメージを与えることが出来ることを活かします。
イシュカナが来る頃には分解で詰んでいる状態がベストですね。
イシュカナ以外に緑黒で横にならぶということはなく、面で奇襲隊で攻めていくのがメインの戦い方になります。
in ゼンディカーの同盟者、ギデオン 2
反逆の先導者、チャンドラ 2
石の宣告 3
out 蓄積稲妻 4
密輸人の回転翼機 1
経験豊富な操縦者 2
相手は密輸人の回転翼機を意識したプレイ、つまり黒黒をたたせてターンを渡してくることが多く、その際に殴りづらいコプターを減量、蓄霊稲妻もタフ4を越えるカードが剥ぎ取りを含めて多く、すべての生物を飛ばすことが出来る石の宣告と入れ換えます。
またマナ拘束が厳しく奇襲隊に繋げづらいのにリリアナにあっさり殺されてしまう操縦者も減量し、緑黒にはとてもたよりになるPW達を投入します。
サイド後のプランとしてはメイン同様序盤をしっかり攻めていくわけですが、ここからは軽い除去満載の状態ですのでタイミングを見てPWで試合を決めにいくのが良いプランだと思います。
vs 霊気池の驚異
メインはコジレックの帰還を打たれずに突っ込み続ければ削りきれるでしょう。
割りきり、思いきり、判断力がかなり問われ、実際僕もここの判断が足りずにエムラクールを間に合わされてしまいました。
しっかり相手の行動から何を狙っているのかというのを察することができればより勝利に近づくと思います。
in 石の宣告 3
抗戦 2
停滞の罠 2
out ゼンディカーの同盟者、ギデオン 2
蓄霊稲妻 4
無許可の分解 1
断片化は驚異を処理できますが、一度回されてからでは遅いと思うので思いきって入れてません。
ギデオンは生き残るならば当然強いですが、
4tから先活躍しつづけるということは相手の動きがあまり強くなく、それならばなくても勝てるはずでちゃんと回ってるときには遅いと判断して抜きます。
※追記です、TLS時はこう考えていましたが、現在ではギデオンは複数被ることは許されないものの1引く分には相手が触りづらいためありではないかと考えてます。
また抗戦は構えることはできても構えながら動くことがなかなかできず、思いきって抜いてもいいのかなと思っています。
蓄霊稲妻は優秀ですがこのマッチで価値があるのは追放除去かどうかなので交換します。
霊気池デッキは緑黒と違い昂揚に向かう手段はあまり多くなく、序盤のクリーチャーが追放されていることは実は結構大切なのではないかと思っています。イシュカナやエムラクールの着地が遅ければ遅いほど勝つチャンスが増えるので除去は追放除去をとれるだけとりたいのです。
無許可の分解は実はエムラクールやウラモグには効かない都合上あまり打つ機会がなく、エムラクールの場合自分に跳ね返って来てしまいます。実際の試合の時も相手のライフは3以下でハンドには分解、場にはアーティファクトというときにでて来たのはエムラクール……ということがありました。
なので被ると自分に打つことになる危険性が増すので1だけ減らします。
サイド後最大の驚異は間違いなく数が増えてくるコジレックの帰還です。抗戦はその為だけにサイドボードにあるのです。十分なクロックを序盤に用意できたならあとは抗戦を構えながら殴り、リターンを止めれば勝ちは目前と言えます。
vs青赤スペル等のコントロール
単体除去が多いので特にメインは面で攻めていくことが大切だと思います。
運良くギデオンが引けていればそれを通すことがそのまま勝ちに繋がります。
in 反逆の先導者、チャンドラ 2
ゼンディカーの同盟者、ギデオン 2
out 蓄霊稲妻 4
大体このような感じになりますが、稲妻織りや氷の中の存在がある場合それらを残すことは出来ないので石の宣告を入れます。
この際抜くのは密輸人の回転翼機や経験豊富な操縦者を1ずつといった感じになります。
サイド後のプランは軽いカードで相手を動かし、マナを使わせてPWを通すというパターンが増えます。
蓄霊稲妻を抜くのはタフ4以上のクリーチャーを焼くことが1枚では出来ないため、相手のほとんどのクリーチャーに対応できないからです。
ブロックさせて焼くよりもメインで宣告でどかしてライフをとる方が良いと考えます。
vs ドレッジ
実は最近姿を見ないこともあり、全くやったことがありません。
しかし、TLSのトップ8に二人を送り込み、瀧村プロも8には入りませんでしたが長く上位卓で戦っていたことを考えるとこれから増えうると思います。
ドレッジの序盤は墓地を蓄える動きになるのでその間にほぼ勝ちくらいまでライフを削ることが必要かなと思います。
特に憑依された死体が動き始めるとスピリットでタフ1を、死体がタフ2を落としつつ縫合体が戻り、戦線をしっかりと維持されてしまいます。
コジレックの帰還は何度も言うとおり直撃が負けに繋がる呪文で表、裏と打たれては間違いなく負けてしまいます。
常に頭にいれて動くことが必要です。
in 抗戦 2
石の宣告 3
停滞の罠 1
out 蓄霊稲妻 4
ゼンディカーの同盟者、ギデオン 2
追放除去が強いです。自然のままになど対策カードが入りうるため停滞の罠は1のみにとどめ、詰めのときに使いたいところです。
序盤のクリーチャーには石の宣告で対応し、墓地には残さないことが大切です。
今回も大したことは書けていませんがデッキの解説をさせてもらいました。
実はTLS前に構築が固まってから数人にシェアしたけど皆数日で止めてしまっていて、悔しいような歯がゆいような感じでしたので使って結果を出してくれる人がいてくれたりするととても嬉しいです。
機体デッキではありますが、前回紹介したものよりも単体で強いカードが少なくなっていてより難しいものになっていると思います。
しかし圧倒的な高速決着はこのデッキの大きな強みで、その戦術が上手くはまったからTLSで好成績が出たんだと思っています。
僕の渾身の新機体、ぜひ一度お試しください!